メールマガジン 2021年12月27日

118年前の正月料理

お正月にいただく「おせち料理」。各家庭、地方によって、特色があります。『婦人之友』2022年1月号(2021年12月10日発売)「ふるさとの家庭料理」では年越しやお正月に食べられる地方の伝統料理を紹介しています。

 

『婦人之友』の前身『家庭之友』におせち料理の記事があります。

古い貴重な資料から、明治36年の『家庭之友』正月料理昭和16年の『婦人之友』簡素なお祝料理の記事を紹介します。

※記事の画像はクリックすると拡大します。

 

1903(明治36)年『家庭之友』

定價一冊五銭(郵税五厘)

 

家庭料理

長崎雑煮の評判はよく聞くことでありますゆゑ、特に長崎の中等(上等はなかなか手軽でないといふことであります)雑煮をと所望して杉山さと子氏のお話を願ひました。重詰も同じことであります。

雑煮

 長崎の中等雑煮の種(ぐ)と云へば、とうな、鹽(しほ)ぶり、鴨、里芋、椎茸、それにお餅(かちん)と龜の子大根とを合せて七種になるので御座います。餅は丸餅、龜の子大根とは餅の下に敷く龜甲形(きつかうがた)にきりました薄い大根です。菜は普通一寸程の長さに、鹽ぶりは拍子木、鴨、里芋、椎茸は普通に切り、それぞれ茹でて味をつけ、まづお椀の中央に龜甲大根を敷き、其上(そのうへ)に餅をのせ、種をそのまわりに盛り合はして、拵(こしら)へて置いた汁をかけるのです。汁の拵へ方はまづだしこぶをよく洗ひ、水より鍋に入れて、水の沸立(にた)とうとする頃引きあげ、直に鰹節を入れて、二三度沸立つた頃にだしがらをとり、醤油でよき程に鹽梅(あんばい)します。

 大根を餅の下に敷くのは、餅を大根と一緒に食べると危いこと(喉にからまるなどの)のない爲とか申しますが、夫(それ)はともあれ、餅のお椀につく憂(うれい)がないのです、龜の子に切りますのは、お祝ひの心で御座いませう。なほおかちんを東京風の四角になさいますなら、鹽ぶりは拍子木でなしに、おかちんとの配合(つりあひ)を考へねばなりません。

 

 

1941(昭和16)年『婦人之友』

定價一冊五十銭(郵税二銭)

 

簡素なお祝料理

 今年のお正月は、手の込んだお重詰などは無論やめるにしても、お餅に黒豆、ごまめ、なます、数の子、おせちなどは栄養の點から見てもまことによい取合せですし、材料も比較的手に入りやすいので、やはりこれらをお正月料理の基として用意したいと思ひます。

 そして子供たちの集まりには、樂しい氣分を現はしたいと思ひ、燃料もお砂糖も餘り使はず、節米にもなる献立をと考へてみました。値段は一人前二十五銭あれば出來ませう。大人のお客には手輕で温いお餅料理を二種。幸ひ、お餅の配給は一人宛二キロ程ですから、お雑煮は野菜その他をたつぷり取合せてお餅をいただき過ぎないやうにすれば、三ケ日と七草までに半分で充分でせう。親しいお客のおもてなしはお餅料理で出來ます。(澤崎 梅子)

紹介の料理は

  • こがね壽司
  • 日の出かまぼこ
  • 若竹ほうれん草
  • 花籠みかん
  • みかん湯
  • 寶鍋
  • 支那風五目雑煮

支那風五目雑煮

  • 材料と下拵へ-五人前-
    豚肉又は雞肉 五十匁 せん切り
    人参 三十匁 短冊切り
    玉葱 三個 二つ割にして 小口切り
    椎茸 大五個 もどしてせん切り
    筍(罐詰)二十五匁 短冊切り
    ぎんなん 皮をむき茹でる
    白菜又はもやし 白菜はせん切り もやしはよく洗ひ水を切っておく
    お餅 一人分マツチ箱大五個 焼いておく
  • お汁の材料
    スープ カップ三杯 鹽小匙二杯 醤油大匙二杯 砂糖小匙一杯 葛大匙山一杯 味の素小匙半杯 ラード大匙二杯

 

ラードを鍋に入れてよく熱した所へ肉を入れて炒め、次に人参、玉葱、白菜又はもやし、筍、椎茸の順で入れて炒めてゆき、三四分たつてからスープを入れ、調味料を加へ最後に水ときの葛を入れる。そこへお餅を一寸入れて深い丼に盛って出す。又は丼の中へお餅を入れ、上からお汁をかけてもよく、若い人に向く料理です。

 

 

 

2022年1月号『婦人之友』

定価 780円(税込)送料100円(一冊の場合)詳細・ご購入⇒

 


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