婦人之友 十三浜わかめクラブ通信(2015/9/25)

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震災支援をきっかけに出会った宮城県石巻市十三浜は、わかめや昆布の養殖が盛んな漁業地域。浜の暮らしを支え、まちの食卓を支えるわかめや昆布の購入を通じて交友を深めています。

 

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わかめ・昆布 秋の購入ご案内
この秋は、これまで誌面でたびたび浜の暮らしや生産の様子を教えていただいている十三浜大室(おおむろ)の漁師、佐藤徳義さん・のり子さん夫妻に、とりまとめ役をお引き受けいただき、浜の漁師さんから直接購入します。ご購入の詳しい案内・ご注文はこちら→

 

現地で十三浜わかめクラブのとりまとめ役をしてくださっている
佐藤徳義さん・のり子さん夫妻

 

「おいしい」の声が励み 佐藤徳義さん
家族でやっている小規模な漁師や高齢の漁師も多く、大津波で何もかも流された時は絶望的な気持ちでした。それでもやっぱり海が好きで、漁師として家族とここで生きていきたいと思っている者にとっては、全国の家庭で「おいしい」と喜んでもらえることは、何よりも大きな励みです。
わかめも昆布も自然のものですから、天候や水温などに左右され、毎年まったく同じ質というわけにはいきませんが、水揚げ後のボイル、塩蔵、脱水、芯抜きなどの手作業も最終的な品質を左右しますから、ていねいに行っています。
十三浜の漁師は全員、漁協十三浜支所のメンバーです。春は、漁師が漁協に出荷したものを購入していただいていますが、漁協では在庫を持たないので、秋は各漁師が個別に冷蔵保存しているものを厳しくチェックしてお届けします。届いたら、冷蔵か冷凍保存をお願いします。

 

うれしいおつきあい 佐藤のり子さん
『婦人之友』と最初に出会ったのは、震災直後の2011年3月下旬でした。津波で家や家財を流された160人ほどの住民が、雑魚寝で共同生活していた相川避難所に、記者さんが訪ねて伝えてくれたんです。
私たちにとっては当たり前の、海の仕事や浜の暮らしに興味をもってもらっていることもうれしく、伝え甲斐があります。私たちも、浜とは違った食べ方や鍋帽子を使った料理法など教わることも多く、勉強になります。お互い知らないことを教えあい、今では親しい友だちのような感覚です。食べてくださる全国の皆さんとつながっている気がします。

 

昆布が生育する海域の南限に近い十三浜では、半年足らずで4~5メートルにも成長します。

昆布が生育する海域の南限に近い十三浜では、半年足らずで4~5メートルにも成長します。

 

刈り取って浜に戻ると、わかめ同様すぐさまボイルして塩蔵。

 

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10月~12月は、わかめと昆布の種付けのシーズン。長さ100メートル以上もある桁(ロープ)に、種(種苗)を挟んでいきます。浜のあちこちで、息の合った夫婦や親子が作業をしています。挟み終わると、漁船に積んで海へ。

 

 


 

海と畑のシャキシャキサラダ 読者のレシピから
十三浜の昆布は、そのまま火を通さずに食べられたので、よく作るツナと野菜のサラダに加えてみました。おいしい上に、食事に取り入れにくく煮物のイメージのあった昆布が手軽に食べられ、わが家の定番サラダになりました。2人の子どもも大好きです。

 

塩抜きしないで結んだ昆布を、甘辛く煮付けるのが十三浜の定番料理。 柔らかいので水で戻してサラダにも。(作り方は10月号169頁)柔らかいので水で戻してサラダにも。(作り方は『婦人之友2015年10月号』169頁)