掃除をすると、思考もシンプルになる
[モノと暮らしのストーリー・井上めぐみさん 03]
家事代行の仕事を始めて13年。3人の子育てをしながら、掃除のプロとして活躍する家事のスペシャリスト、井上めぐみさん。何かをするついでの1~2分で、ハタキをかけたり、汚れを拭いたり、簡単にできる毎日の「ついで掃除」を推奨しています。掃除が苦手な人の心をフッと軽くしてくれる、掃除についての考え方や道具について、お話をたっぷり伺いました。
(文・赤木 真弓/写真・山口 規子)
掃除をすると、思考もシンプルになる
井上めぐみさん(クリンネスト1級)
毎⽇ちょっとずつの掃除を続けていると、余計なことを考えなくなるという井上さん。
「お掃除をこまめにしていると、“汚れているな、じゃあ拭こうˮと、思考が単純になる気がします。頭の⽚隅にずっと掃除のことがあると、すっきりしないですよね。⼼の中も同じ。ほこりも⼼のモヤモヤも、留まらないうちに⽚付けてしまう。
お掃除のおかげかわかりませんが、余計なことを考えなくなっているせいか、うっかり忘れも減ってきたと思います(笑)。気になること、モヤモヤをパッとはらって、解消していくことが⼤事。汚れも悩みも、先延ばしにすると余計複雑になっていきます」

(著書『汚れが落ちる、心が軽くなる 「ついで掃除」できれいが続く』より)
いい掃除道具を使うことで、⾃分の家事の負担も減るのだとか。
「よく“夫が掃除を⼿伝ってくれないˮという話を聞きますが、⼿伝ってよ!と急に⾔われてもやり⽅自体が分からない場合もあると思うんです。でも“この場所をこの道具でやってねˮと⾔うと、意外にやれたりする。
掃除なんて家にあるものでと思いがちですが、そうすると⾃分だけが把握している⾃分のやり⽅の掃除になり、なかなか家族に分かりにくかったりします。“ここにはこのブラシを使う”というように、場所に適した道具を揃えることで、⾃分⾃⾝も掃除に対する気持ちが楽になるんじゃないかと思います。
もちろん100均のブラシやお掃除シートでもいいのですが、使い捨てのものはなくなったらできなくなるし、消耗していくことでモヤモヤが発⽣します。でも着古したTシャツを切ったウエスは、ˮおつかれさまˮという気持ちで、最後まで活⽤できるので、使い切ることが嬉しくなります。そういう⼼理的なことを利⽤するのもいいと思います。
お掃除のことで悩んでいらっしゃる⽅が意外と多いのですが、掃除が苦⼿、嫌いだという⽅にぜひこの本を読んでもらいたいです。ついでにできるから気軽にやってみようかなと、掃除に対するハードルが下がって、気持ちよく過ごしていただけたら嬉しいです」
今回ご紹介する井上さんの愛用品はこちら。
オーストリッチ フェザーダスター 50cm
(以下、井上さんコメント)
ドイツの老舗メーカー『レデッカー』が作る、ダチョウの胸部分の柔らかでしなやかな羽を使った羽根ばたき。あたりが柔らかいので、ものを動かさずにほこりをサッと払えて、家具などを傷つけず、安心して使えます。デザインも素敵で、しまいこまずにおけるのもいいところ。10年以上愛用していますが、きっとずっと大切に使い続けると思います。
(2025.05.28)
ご紹介した商品は、F-TOMO SHOP でお求めいただけます。
ぜひご覧ください。
次回はインタビューと併せて、「はりねずみのテーブルブラシ」についても伺います。
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井上めぐみ いのうえめぐみ
クリンネスト1級、整理収納コンサルタント。大手家事代行会社のスタッフとして高い技術を提供すると共に、スタッフの新人研修なども行う。東京第一友の会会員。著書に『汚れが落ちる、心が軽くなる 「ついで掃除」できれいが続く』(小社刊)