【2025年8月8日発売】馬鈴薯の花(じゃがいものはな)

著者:後藤坦子
価格:1,980円(税込)
サイズ:四六版
頁数:240ページ
ISBN:978-4-911401-02-6

2025年8月8日発売


「北朝鮮からの引き揚げ ひたむきさと優しさの記録」

――飯田法子(大分大学福祉健康科学部准教授)

 

1946年初夏。当時14歳だった筆者は、母と幼い妹・弟とともに終戦後の朝鮮北部から命がけで38度線を越え、日本へたどり着きました。
幸せな子ども時代、過酷を極めた引き揚げ。戦後日本で長女として家族を支え、母となり、孫が生まれ――。幼い日からこれまでを、丹念に綴ってきた記録が、本になりました。

 
激動の時代。何があっても前を向いてひたむきに生きてきた姿に、勇気をもらえる1冊です。

 


著者紹介
後藤坦子 Hiroko Goto
昭和7年、朝鮮北部(現在の北朝鮮)新賀坡鎮に生まれる。
終戦後に父を亡くし、母子6人で命からがら日本に引き揚げる。
戦後は長女として母を支えながら一家6人で大分市に暮らす。
昭和41年に長女誕生。4人の孫にも恵まれる。
93歳の現在、グループホームに入所し、穏やかな日々を送る。

 

監修 伹馬育子

 

装画 伹馬浩介

挿絵 伹馬和奏

 


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目次

第1部 日本への引揚げ

  • はじめに
  • 生まれ故郷
    新乫坡鎮/連浦面/父のこと/村上家
  • 私の学校時代
    小学校時代/元山女師時代/戦争末期の元山/終戦の日
  • 端川、社洞、連浦のこと
    父の転任/再び連浦へ/連浦から元山へ/先生の卵たち/日本の敗戦
  • 戦後の生活
    咸興へ/咸興の冬/父、帰る/父、死亡す/母子6人/母の戦後
  • いよいよ引揚げ
    その日は突然に/38度線は遠く/河を渡って南へ/祖国日本へ/日本での生活
  • 大分市からの再出発
    大分市へ/銀行員生活/昭和30年代/結婚退職
  • 育子の誕生
    女児出産/夫の両親のこと/育子の成長/育子の結婚

 

第2部 子供のころの幸せな思い出

  • はじめに
  • なつかしい食べ物
    メンタイ/朝鮮漬け(キムチ)/餅/カルクギ(丼物)/冷麺/そのほかのごちそう/リンゴとミカン
  • わが家の花
    ソメイヨシノ/マツバボタン/カノコユリ/ホウセンカ/クローバー/アカシア/ムクゲ/レンギョウ/スミレ/コスモス
  • 遊び
    ゴム跳び/石けり/馬跳び/陣取り/缶けり/小刀の陣地取り/跳び板/お手玉/あやとり/ママゴト/着せ替え遊び/氷すべり/泳ぎ/羽子板つき/まりつき

 

第3部 孫たちの成長とともに

  • はじめに
  • 孫たちの誕生
    悠介ちゃん誕生/育子、次男を出産 浩介ちゃん誕生/和奏ちゃん誕生
  • アメリカへ
    育子一家、アメリカへ/空白の2年間?/初めての海外旅行/いよいよアメリカへ/シカゴ空港で
  • 丸田さんの死
  • 旅行のこと
  • 新乫坡会のこと
  • 大正琴
  • 目のこと
  • わが家
  • 母の死
  • 隆介ちゃん誕生
  • 節分
  • “家”のことども
  • なでしこ会
  • 続 “家”のことども
  • 新しい家へ
  • パート勤務
  • 丸田さんとの出会い
  • 昭和は遠く“尋ね人の時間”
  • 入試 その1・その2
  • OB会 その1・その2
  • 茶道
  • 華道
  • 「文章を書く」ということ

 

第4部 新聞投稿「立ちばなし」

  • はじめに
  • たこ揚げ(昭和45年1月30日)
  • ヨモギ(昭和45年3月12日)
  • 長浜さま(昭和45年7月15日)
  • 夜市(昭和45年8月28日)
  • 大分川(昭和45年10月30日)
  • わたしは家計簿(昭和45年12月15日)
  • 家にいて(昭和47年6月2日)
  • 海の音(昭和47年10月14日)
  • 雑草(昭和48年4月20日)
  • 古里(昭和49年2月9日)
  • 母ちゃん(昭和49年5月17日)
  • わが家の菜園(昭和49年8月7日)
  • しいちゃんとコスモス(昭和49年10月22日)
  • 今年始めたこと(昭和50年2月14日)
  • 晴れ舞台(昭和50年9月23日)
  • 子守うた(昭和51年8月31日)
  • 誕生(昭和52年3月23日)
  • 新しい友人(昭和52年8月29日)
  • 夕焼け(昭和53年10月30日)
  • おひなさまと新聞(昭和55年3月3日)
  • 書きとり(昭和56年6月20日)
  • 三匹の子ブタ(昭和60年4月23日)
  • 畑の第九(昭和60年12月24日)
  • 三十年ぶりの中津(昭和61年4月30日)
  • 雨の日は…(昭和62年6月25日)
  • 十円のこと(昭和63年4月13日)
  • 柳川のあなたへ(平成元年6月13日)
  • おかゆ(平成2年1月27日)
  • 親ゆずり(平成2年5月19日)
  • 台風の季節(平成2年9月11日)
  • 父よ、帰りたまえ(平成3年1月23日)
  • 何も、今どき(平成10年2月27日)
  • 触れ合いフェスティバル(平成17年2月27日)
  • 誕生日(平成19年12月21日)
  • 宿題(平成26年8月25日)
  • 大分合同新聞「戦地から帰らぬ人への手紙」
    いつか迎えに行くよ(平成22年5月4日)

 

未掲載原稿より

  • 麦秋のころ(平成16年)
  • 追われる夢(平成17年)
  • 14歳の夏(平成21年)
  • わが家の温泉(平成22年)
  • ハイタッチ

 

おわりに

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