老いとは何かを伝えたい

著者:新福尚武著
価格:1,100円+税
サイズ:46判
頁数:208頁
ISBN:978-4-8292-0203-6

長く、中高年向け雑誌「明日の友」顧問をつとめた新福尚武氏が、自身の老いを見つめ、よく老いたいと願う人々に贈る励ましの1冊。老年期に起こりやすい症状の実例とアドバイス。 

 

著者紹介
1914年  鹿児島市生まれ、九州大学医学部卒業後、精神医学専攻。1956年  鳥取大学医学部教授、東京慈恵会医科大学教授を経て、1979年退職。
精神療法精神病理学会長、心身医学会長、アルコール医学会長、国際老年精神医学会名誉会長など歴任。

 

主な著書
『さわやかに老いる知恵』(婦人之友社)、『新精神医学』(医学出版社)、『ミドルエイジ・シンドローム』(朝日出版社)、『人類とぼけ』(講談社)、編者『精神医学大事典』(講談社)、『老年精神医学』(中山書店)、ほか多数。

目次

はじめに

 

老いを知るために

  • 第一章 暗くなりがちな老いのイメージ
    「老い」を正しくとらえること
    老いについての五つの問題点
    若・壮・老=多元的文化の存在する社会を
    六五歳になればみな老人?
    「正常」ということばの意味するもの

     

  • 第二章 老いを迎える人々に 心身両面における心がけ
    「今」から始める慢性病予防
    生活の変化を受け入れる心の準備を
    謙虚さと素直さを忘れずに

     

  • 第三章 精神的長寿者たちの生き方に学ぶ
    のびる寿命
    傑出した超高齢者の姿 B・ラッセルと鈴木大拙
    画家に精神的長寿者が多いのは?
    精神的長寿の秘訣

     

  • 第四章 百歳老人の調査報告から
    元気な老人には共通的な基本条件がある
    女性は長生き、でもその健康度は?
    精神機能に急変化はない
    性格と長寿の重要な関係
    正常老化の百歳老人の脳は?

 

老いにそなえて ぼけ研究の最前線をみる

  • 第五章 年をとると脳にどんな変化が起こり、ぼけるとさらにどんな変化が加わるか
    「ぼけ」の研究に関心をもとう!
    正常な老人の脳に起こる変化
    ぼけた老人の脳にみられる病変 脳萎縮・原線維変化・老人斑
    脳の神経伝達物質についての研究
    脳の画像検査法の発展
    からだでとらえられるぼけの標徴 生物学的マーカーによる早期診断の試み
    「ぼけ」その原因はいろいろ 脳血管障害・アルツハイマー型痴呆ほか
    「ぼけ」とは何か その精神生理学的理解
    ぼけを治す薬(抗痴呆薬)とされるもの

     

  • 第六章 正常老化とぼけとの症状からみた違いと、女性におけるぼけ問題の複雑性
    正常老化とぼけはどこが違うか
    正常老化とぼけの接近
    老化とぼけの混合状態
    症状と脳変化の関係
    女性は本当にぼけやすいのか?

     

  • 第七章 老人に起こりやすいぼけ以外の精神障害
    うつ病・うつ状態
    妄想状態
    心身症
    ノイローゼ(神経症) 「甘え」・からだの不安・不眠・強迫観念
    生活を健康に!

     

  • 第八章 老年期に起こりやすい症状への対応 実例とアドバイス
    第一例 空虚感に悩んだ五二歳の女性が回復した体験の記録
    第二例 八六歳でうつ病、「ぼけ」のようになったが、治療で回復した女性の記録
    第三例 七年間ひとり暮らしの七一歳の女性に生じた妄想性障害
    第四例 七三歳のとき転んで脳梗塞が見つかった女性、その後の経過
    第五例 六〇歳でアルツハイマー型痴呆を発症した男性の九年間にわたる看取りの記録
    第六例 七九歳で異食症から始まった女性、七年間の看取りの記録

     

 

老いのあり方

  • 第九章 老いの目ざめと生きがい
    「一日」にいのちの価値をみて
    「老いの目ざめ」とは?
    目ざめの成立
    老いの風光
    老いの生きがい

     

  • 第十章 老いと死の作法
    健やかに老い、健やかに老いを生きる
    自立の限界の自覚と素直な依存
    健やかな死

     

  • 第十一章 老いの文化の確立を
    高齢化社会の現実の中で
    若さの文化と老いの文化
    老いの文化に向かって

     

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