イメージを変える 場所ごとで考えない家事

[モノと暮らしのストーリー・本橋ひろえさん 01]

 

ナチュラルクリーニング講師として、人にも環境にも優しい家事を広める本橋ひろえさん。たった5種類の洗剤で、家中の掃除から洗濯までをまかなうことができます。触ると危険、換気しなければ使えない…という強い洗剤よりもずっと気軽に使えて、きれいを保ちやすい。そんな、ナチュラルクリーニングの魅力と始め方を伺いました。

(文/写真・婦人之友社、商品画像提供・coreDAKE)

 


 

イメージを変える 場所ごとで考えない家事

本橋ひろえさん(ナチュラルクリーニング講師)

 

 

現在は、ナチュラルクリーニング講師として活躍する本橋さんですが、大学卒業後は、化学メーカーで家庭用合成洗剤の製造に携わっていました。退職後、主婦として改めて家事に向き合ったとき、自身や家族のアトピーを治したいという思いを持つようになり、ナチュラルクリーニングの世界に触れます。

 

「肌への優しさを考えて選んだものが、結果的に地球環境にも優しいものでもある。私が経験を通して実感した、2つの魅力を伝えたくて、ナチュラルクリーニング講座を始めました」。

 

使う洗剤は、5つだけ。

重曹、クエン酸、過炭酸ナトリウム、石けん、アルコール。これらがあれば、キッチンやお風呂、トイレの掃除や、お洗濯まで、すべての汚れに対応できます。

 

スーパーなどで販売されている多くの洗剤は、キッチン用、お風呂用、洗濯用と場所ごとに用途が分かれています。たとえば、肉を焼いたフライパンとお皿は食器用洗剤で、その汚れが服につくと洗濯用洗剤に、床にこぼれたものは住居用洗剤に……という使い分けです。

 

「本来は油汚れに変わりないので、同じ物で洗えるはず。固定概念をはずし、場所別ではなく、汚れ別に使う洗剤を選べるようになると、家にあふれる洗剤は減り、掃除の失敗も少なくなります」。

 

(本橋さんがキッチンで食器洗いに使う「家事用石鹸バー」)

 

本橋さんおすすめの、ナチュラルクリーニング初めの一歩は、台所洗剤として固形石けんを使うことです。特に食器洗いは、直接口に入るものを洗う場所なので、なるべく安心なものを使いたい。しかし食器やフライパンの汚れは、家中でいちばん強い汚れでもあります。そこで液体の石けんを使うと、洗浄力の弱さにがっかりする方も多いのだと言います。

 

「ナチュラルな洗剤は、洗浄力が弱いと思われがちですが、実はそうではありません。液体石けんは固形や粉に比べて、濃度の調整のために石けん成分が水で薄まっています。ナチュラルクリーニング入門者が液体石けんを使うと、合成洗剤とのギャップを感じて挫折しがちですから、食器洗い=液体 という考えから離れて、固形や粉の石けんをスポンジにこすりつけて洗うと、汚れ落ちも、すすぎのしやすさも実感できますよ」。

 

 


 

    今回ご紹介する本橋さんのおすすめ品はこちら。

    家事用石鹸バー

    吊るせるので、石けんが溶け出しにくく乾きやすい。清潔さと使いやすさのための工夫です。過剰な包装やボトルいらずで、プラスチック削減にも。

     

    (2025.07.30)

     

    ご紹介した商品は、F-TOMO SHOP でお求めいただけます。

    ぜひご覧ください。

     

    —————————————

    本橋ひろえ もとはしひろえ

    ナチュラルクリーニング講師。自身と子どもがアトピー体質だったことから洗剤を見直し、自然由来の洗浄剤を使った掃除・洗濯を実践。講座や著書でその魅力を伝える。
    「婦人之友」25年3月号f-tomoルーキーズにて、「キッチンから始めるエコライフ」に登場。