婦人之友2021年 3月号

表紙:砂糖ゆき
発売日:2021年2月12日
価格:780円(税込)

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特集

“しなきゃ”をやめて ラクになる家しごと

コロナ禍で「家事負担が増えた」という声が少なくありません。でも見方や考え方を変えると、その「しなきゃ」は手放せるかもしれません。大切なことに心を寄せながら、気持ちをラクに暮らす知恵とは――。

 

\ていねいだけどラクちん/「ひき算」を楽しむ台所 山田奈美さん(薬膳料理家)
「古い家は大変でしょう? よくそう言われますが、昔ながらの暮らしって実はシンプル。現代の生活は複雑で、知らず知らずに体や心に負担がかかっているのかもしれません」
10年前から、築約90年の古民家に住む山田奈美さん。「便利そう」と感じていたものや習慣をそぎ落としたら、“大変さ”より“楽しさ”が増えたそう。そんな暮らしの工夫を、台所を中心に教えていただきました。

 

ハードルを上手にさげる家事の向き合い方 小川奈緒さん(文筆家)
コロナ禍でおうち時間が長くなり、家事の負担が以前よりも増えた、と感じている人が多いのだとか。
わが家は夫婦ともに長年の在宅ワーカーなので、「家事に時間をとられすぎず、でも家は快適に」という課題と、ずっと向き合ってきました。その結果たどりついたのは、「なるべくラクに、だから毎日続けられる」という家事のスタイル。

 

もう、もやもやしない 心がラクになるコツ SAKURAさん(美容師)
「しなきゃいけないことも、したいことも、“いずれすること”という点ではあまり違わないと思うんです。でも、それを〝どんな気持ちで行うか〞で、心のラクさが大きく違うのかもしれません」そう話すのは、東京・表参道の美容室で働くSAKURAさん。

 

座談会 本のある風景

「1冊」の向こうの世界へ

◆あさのあつこ(小説家・児童文学作家)

◆信濃八太郎(イラストレーター)

◆高木久直(高久書店店長)

皆さんは、本とのどんな思い出がありますか。1冊の物語に救われ、人生が変わる――そんな経験をされた方々の言葉が、コロナ禍の心に響いてきます。

あさのあつこ●1954年生。37歳で作家デビュー。著書は『バッテリー』『たまゆら』『弥勒の月』『ゆらやみ』など、ファンタジーから時代小説まで幅広い。岡山県在住。

しなのはったろう●1974年生。自由学園明日館勤務後、イラストレーターに。映画番組「W座からの招待状」(WOWOW)の仕事も。本誌「羽仁もと子とその時代」で挿画を担当。

たかぎひさなお●1970年生。中学校講師を経て静岡の大型書店に入社。2016年、「走る本屋さん」を始め、現在も続ける。昨年2月、掛川に総合書店「高久書店」を開いた。

 

東日本大震災から10年

  • 今日のいのり 試練の中で――小さき群れの歩み 阿部 一
  • 未来の余白から 悲しみを担う人 最上敏樹
  • 10年後のフクシマ 原発を問う詩人・若松丈太郎さん 藍原寛子
    東日本大震災、続く未曽有の原発事故から10年を迎える、この3月。傷を負った大地に立ち、今も問い続ける詩人を訪ねた。
  • news watching “核のゴミ”なぜいま「地層処分」? 小野有五
    原発から出た使用済みの核燃料が、たまり続けています。そんな“核のゴミ”を、電力会社も国も、早く地下に埋めようとしていますが、本当に安全なのでしょうか?
  • 十三浜わかめクラブ 支え合って3653日
    3653日。東日本大震災が起きた2011年3月11日から、今年のその日までの日数です。1日1日が積み重なっての10年。十三浜の漁師さんは、どう乗り越えて来られたのでしょうか。佐藤さん、青山さん。ふたつの家族にうかがいました。

 

<新連載>私たちとSDGs

熱海から始まる 新しい日常
枝廣淳子(環境ジャーナリスト)

移住先の静岡県熱海市で、まちの活性化や環境問題のための活動を始めた枝廣さん。地元の人たちと二人三脚で、持続可能な暮らしを提案しています。

目次

特集

“しなきゃ”をやめて ラクになる家しごと

014 「ひき算」を楽しむ台所 山田奈美
022 ハードルを上手にさげる家事の向き合い方 小川奈緒
028 心がラクになるコツ SAKURA

 

 

座談会 本のある風景

080 「1冊」の向こうの世界へ
あさのあつこ/信濃八太郎/高木久直

 

070 羽仁もと子著作集 まちがいを恐れずに
008 わたしの・すきな・もの かぼちゃ型の文鎮  福岡伸一

 

 

東日本大震災から10年

074 今日のいのり 試練の中で――小さき群れの歩み 阿部 一
128 未来の余白から 悲しみを担う人 最上敏樹
100 10年後のフクシマ 原発を問う詩人・若松丈太郎さん 藍原寛子
107 news watching “核のゴミ”なぜいま「地層処分」? 小野有五
148 十三浜わかめクラブ 支え合って3653日

 

私たちとSDGs

062 熱海から始まる 新しい日常 枝廣淳子
092

時をつなぐ100年前―今―100年後
中世ラテン語の辞書を作る 小倉孝保

112 思春期の悩み相談 回答者・木村泰子
「身長は、なぜ高い方がいいの?」

 

暮らし

036 料理・やさい上手 玉ねぎ、長ねぎで免疫力アップ 河合真理
046 お菓子 とっておきのスコーン キムスジン
051 暮らしの引きだし・最終回 足もとの宝を見つめて 松場登美
057

ルピナス・ヴァレーの庭から 春の兆しが、野にも庭にも 森本佳代・二太郎

120 みんなの悩み研究室 皆さんの声をお寄せください!
114 からだと心 プラセボ効果で健康に 中野重行

 

読み物

068 こころの深呼吸 冬に咲くバラ 海原純子
134 羽仁もと子とその時代③ 森まゆみ
078 cinema 生のうつろいとらえる意志 大久保清朗

 

口絵

006 巣ごもりの仲間たち ウォンバット 福田幸広

 

 

072 自由学園だより
122 家計簿をつけ通す同盟 特別費
124 kakei +  記帳で暮らしが変わる
126 友の会ニュース 武生/宇和島
142 生活歌集 選・小島なお
145 生活句集 選・山西雅子
154 松場登美さんオンラインイベント報告
156 f-tomoひろば
159 オンラインf-tomoカフェお知らせ
160 バックナンバー
161 次号予告
162 編集室日記

 

編集後記

 東日本大震災から10年の春。若松丈太郎さんや最上敏樹さんの言葉、宮城県十三浜の方たちの歳月から、社会にとって、自分の暮らしにとって非常に大きかった3・11を、考え続けたいと願っています。十三浜の方たちとのオンラインf-tomoカフェも予定しています。
 暮らしの引きだし」が最終回を迎えました。コロナ禍の1年、石見銀山の美しい風景の中、自然に寄り添う暮らしに心安らぎ、幸せを届けてくださった松場登美さんに感謝いたします。
 中世ラテン語の辞書作りからは、時を超えた仕事のおもしろさ、奥の深さが伝わってきます。筆者の小倉さんがお好きなラテン語は、festina lente(ゆっくり急げ)だそう。目の前のことだけではなく、長いスパンで物事に向き合い見えてくる世界を味わえたらと思います。

■婦人之友編集部へのメッセージは hiroba@fujinnotomo.co.jp へお送りください

 

今月号の料理

【やさい上手のおかずとキッチン】玉ねぎ、長ねぎで免疫力アップ 河合真理
体を温め、風邪の予防に効く玉ねぎと長ねぎ。たっぷりと食べられるレシピで、健康な体づくりを!

  • オニオングラタンスープ
    炒め玉ねぎのコクとうまみに、とろりとしたチーズとバゲットや、煮干しだしとの相性が抜群。

  • 玉ねぎの丸ごと蒸し
    見栄えと、口にしたときのインパクトがある蒸しもの。玉ねぎの甘みに、ほろっとした海老のおいしさが際立ちます。

  • ミートローフ
    玉ねぎを炒めず生で混ぜることで、ジューシーで食べやすい仕上がりに。ザクッと砕いたナッツが、食感の豊かさとごちそう感を加えてくれます。

  • おつまみ焼きねぎ
    ごくごくシンプルな素材で、手軽さが嬉しい一皿。ピリッとしたねぎと干し海老の香ばしさが、あとを引きます。

  • 鯛のねぎ蒸し
    昆布のうまみと淡白な白身魚、トロリとやわらかなねぎの甘みに、上品なおいしさを感じる一品。

  • 手づくり調味料
    玉ねぎ味噌 ドレッシング、味噌炒め、味噌汁、味噌漬け、鯖や鰯の味噌煮に。くるみとそばつゆに加える、ラー油と鍋のたれに。
    ねぎ醤油 たれ、ドレッシング、和え衣、唐揚げや肉の漬け焼きの下味、煮もの、炒めものなどに。

撮影:青山紀子

 

【つくってみたいお菓子】とっておきのスコーン キムスジン
スコーンの発祥は、スコットランド。英国でティータイムの定番として広がり、日本でもお菓子や朝食のパンのように親しまれています。

撮影:キムスジン

 

【登美さんの暮らしの引きだし】春ロールキャベツ アスパラソースのチーズ焼き
乾物の旨味たっぷり。春のソースがアクセント。

写真:根のある暮らし編集室

 

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