婦人之友2019年 8月号

表紙:てらおかなつみ
発売日:2019年7月12日
価格:784円(税込)

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■2019年8月号 編集後記

平和特集 座談会 広島で語る

記憶を受け継ぐ

アーサー・ビナード(詩人)/森瀧春子(非核活動家)/岡村幸宣(丸木美術館学芸員)

撮影:童心社

丸木俊・位里夫妻作の《原爆の図》をもとに、ビナードさんが7年がかりで制作した紙芝居が、このほど完成。そこから詩人が聞きとった声は?
反核の父の遺志を継いで活動する森瀧さんを交え、原爆の記憶をリアルタイムで捉え直し、非核への道を話し合いました。

どこにでもありそうで、どこにでもない紙芝居をさがし、ピカの体験者に耳をかたむけつづけて、いのちの源であるサイボウに耳をすました。
アーサー・ビナードさん■1967年、米国ミシガン州生まれ。90年に来日、日本語で創作を始める。11年より広島に居を構える。『ここが家だ― ベン・シャーンの第五福竜丸』で日本絵本賞。原爆で被爆した物を語り部にした写真絵本『さがしています』で広島文化賞などを受賞。今春、紙芝居『ちっちゃい こえ』を完成。
「核と人類は共存できない」「人類は生きねばならない」父の信念の延長線上に、今の私たちの活動もあります。
もりたきはるこさん■1939年、広島生まれ。63年より33年間中学校に勤務しながら、原水禁運動家の父・森瀧市郎氏を支える。遺志を継ぎ、国内外で非核のための活動を続けている。「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」共同代表、NO DU ヒロシマ・プロジェクト事務局長、ICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)運営委員、世界核被害者フォーラム事務局長。
楽しいことって、子どもたちは自分で見つけ出すけれど、原爆や戦争のことは誰かがつないでくれて、初めて気がつく。
おかむらゆきのりさん■1974年、東京生まれ。2001年より原爆の図丸木美術館に勤務し、丸木俊・位里夫妻を中心に社会と芸術表現の関わりについて研究、展覧会の企画などを行っている。著書に『非核芸術案内 核はどう描かれてきたか』『《原爆の図》のある美術館―丸木位里、丸木俊の世界を伝える』ほか。

撮影:宮木 剛

 

沖縄・伊江島を訪ねて 基地と暮らす

日本の米軍基地の7割を抱える沖縄。新基地建設のために辺野古の海に土砂が投入されてから半年が経ちます。自分たちの暮らしの場が奪われていくことに、敗戦直後から立ち向かい続けた方がいたと聞き、伊江島を訪ねました。

 

撮影:金城盛和

 

特集

身近な水辺と出合う夏

頬に潮風を受け、砂を感じ、水に身体をあずける――
日々の忙しさで忘れがちなその「心地よさ」。この夏、身近な水辺で思い出しませんか。自然の中で、子どもも大人も思いっきり遊ぶ。そんなひとときが、きっとあなたのエネルギーになるでしょう。

親子で海あそび そっか(一般社団法人)
「地元の海で思いっきりあそぼう!」と始まった、小学生の放課後活動があります。神奈川県逗子市に訪ねました。

 

青梅を流れる多摩川で 疲れを流して、エネルギー充電 三竹恵美(臨床心理士・美術家)
橋を渡る途中、川の上に立つと、ひんやりした風が川上からスーッと吹き抜ける。いま、川の神様の龍が通り抜けたのかもしれない、と想像を膨らませたくなる。

 

始めよう! プラスチックフリー・ライフ

量って減らす 仲間と減らす

7月はプラスチックフリー月間。それにちなんで本誌では、7~8月に各家庭でプラスチックごみを量ってみようと呼びかけています。昨年7月から約1年、量って記録してきた読者、福島の伊藤恵美子さんに変化を見せていただくとともに、今年、仲間5人でプラスチックごみ減量に取り組んできたグループを紹介します。

 

旅するフロシキ
プラスチックフリーのシンボルにと、制作したふろしき。厚地で丈夫、使いやすいと好評です。仕事先の海外でお土産を入れたり、本を包んだり、「悔しいほど役に立った」という大柳さんにレポートをいただきました。皆さんも使い方のアイデアなどお寄せ下さい。

ウズベキスタン・ブハラ編

 

目次

■特集

身近な水辺と出合う夏

036 親子で海あそび
神奈川県・逗子海岸「そっか」の活動から
046 疲れを流して、エネルギー充電 三竹恵美(東京都・青梅)

 

 

■平和特集

010 座談会 広島で語る 
記憶を受け継ぐ
森瀧春子/アーサー・ビナード/岡村幸宣
025 沖縄・伊江島を訪ねて
基地と暮らす

 

 

078 羽仁もと子著作集 仕事、休息、人の一生
080 電子書籍で読む羽仁もと子の著作
『羽仁もと子著作集』全21巻入り 7インチAndroidタブレット(NEC LAVIE Tab E)⇒
124 今日のいのり 「平和を実現する」幸い 髙橋 顕
008

わたしの・すきな・もの レーウェンフックの顕微鏡 福岡伸一

116 未来の余白から 幻滅を抱きしめて 最上敏樹
112 時の手ざわり ふたりのいる場所 丸木美術館 本橋成一
083 視角 クジラは食卓に戻るのか 清水 弟
110 思春期の悩み相談 回答者・木村泰子
「上級生に“ヘラヘラしてる”と言われて」
104 教育 情報に踊らされないための 4つのハテナ 下村健一

 

 

■始めよう! プラスチックフリー・ライフ

070 量って減らす 仲間と減らす
076 旅するフロシキ ウズベキスタン・ブハラ編 大柳陽一

■暮らし

052 料理 暑さにまけない火なし料理 小山瑛子
058 自然の恵みをおやつに 茄子ゼリー、生姜の冷やしあめ(高知)
050 50代からの身軽な暮らし 心と暮らしの平和を 井田典子
096

家計 学生のお金の管理

090

健康往来 中高年女性を悩ます「下肢静脈瘤」 出月健夫

 

 

■読み物

062 今日、なに着ていこう ヘアースタイル ひびのこづえ
065 絵本 ジェムくん故郷へカエル ポール・スミザー
122 こころの深呼吸 人生のバランス 海原純子
132 小説 ひと箱のライフ 楊 逸
128 Book 彼女たちの旅の内訳 角田光代
130 cinema 愛を播き、人生を耕す 松本侑壬子

 

 

■口絵

006 ひかりの宝石 浅井美紀

 

 

102 家計簿をつけ通す同盟 教養費・娯楽費
140 生活歌集 選・小島ゆかり
144 生活句集 選・山西雅子
148 自由学園だより 前原直美
150 友の会ニュース 北海道/高松
152 十三浜わかめクラブ通信
156 f-tomoひろば
160 バックナンバー
161 9月号予告
162 編集室日記

編集後記

平和特集の座談会を広島で行いました。生きものの細胞の「ちっちゃいこえ」が主人公の紙芝居。「紙芝居は演じてこそのものだから、ぜひ体験してください。一人ひとりの体の中の声と、どう響き合うか」と、ビナードさん。その細胞を損なう、原爆と原発のつながり……。今のこと、自分のこととして考えたい、この夏です。
“未来の余白から”「平和は一度きりの理想ではなく、幻滅の記憶であり、それを想起し続ける執念なのだ」を、かみしめて。
海原純子さんの「こころの深呼吸」が今秋、一冊になります。書下ろしを加え、写真を選ぶのも「読者の皆さんと対話するよう」と海原さん。記念講演会のお知らせもご覧ください。
年々厳しくなる暑さ。どうぞ健やかな日々を!

 

■婦人之友編集部へのメッセージは hiroba@fujinnotomo.co.jp へお送りください

 

今月号のレシピ

今日のおかず 暑さにまけない 火なし料理 小山瑛子
夏真っ盛りの食事は、できるだけ火を使わず手軽につくりたいもの。涼やかに、さっぱりと、食が進む料理をご紹介します。
鶏ささみの梅酒ジュレかけ/残り野菜と醤油でつくる香味ドレッシング/白身魚のかんたん昆布じめ/身欠きにしんの山椒漬け/人参の胡麻酢和え

撮影:青山紀子

 

自然の恵みをおやつに 高知 あっさり茄子とピリリ生姜の、野菜スイーツ。
茄子ゼリー/茄子ジャム/生姜の冷やしあめ/生姜の蜂蜜ジャム

写真:湯本一生

 


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