〈レシピ〉そら豆団子|山田奈美さんの心身をいたわる梅雨の食養生

神奈川県・葉山にある築約1 0 0年の古民家に移り住んで14年。

薬膳や発酵の料理教室をしながら、近所の畑で野菜を育て、四季の巡りとともにある暮らしを送っている山田さん。

梅雨の時期に体を整える食材と、おすすめレシピを伺いました。

 

【プロフィール】

薬膳・発酵料理家・山田奈美

やまだ なみ:国際中医薬膳師。「食べごと研究所」主宰。各メディアで発酵食や薬膳レシピを提案し、自宅兼スタジオである「古家1681」で開く発酵や薬膳の教室が人気を博す。近著に『砂糖なしおやつ』(小学館)。

 

 

使い込んだ愛用の道具が並ぶ台所。電子レンジの代わりに大小の蒸籠(せいろ)が活躍する。そのため火口はカセットコンロも合わせ、4口ある。

 

「薬膳・食養生」と聞くと、難しく感じるかもしれませんが、ポイントはシンプル。その土地の風土、自然のリズムに合わせ、旬のものをいただくこと。食材それぞれの特徴を知り、自分の体質や体調に合わせて取り入れ、体を整えていくことです。

まずは、季節の新鮮な食材を選び、味わってみて下さい。そして少しずつ、発酵や薬膳、先人が培ってきた食の知恵を、楽しみながら取り入れてみましょう。

 

余分な水分を排出し、胃腸を整える

梅雨の食養生

 

海に囲まれて暮らす日本人は、体に水分がたまりやすく、湿度の上がる梅雨は胃腸の調子を崩しがち。

 

余分な水分の排出を手伝うもののひとつが豆類です。昔は毎月1日と15日に小豆粥を食べる習慣が。自然と体の中の掃除ができる仕組みでした。

「薬膳」が日本に伝わったのは奈良時代といわれます。知恵を暮らしの中へ取り入れる工夫には驚きますね。

 

◎体内に滞る水分を排出する食材(利水・利尿作用のある食材)

とうもろこし、はと麦、小豆、そら豆、グリーンピース、あさりなど

 

◎胃腸の調子を整える食材

じゃが芋、そら豆、大豆、枝豆、小松菜、人参、ねぎ、とうもろこしなど

 

 

そら豆団子

 

そら豆の風味が豊かなコロッケ風団子。
豚肉と塩麹のコクで、何もつけずに楽しめます。

 

【材料(2人分)】

そら豆(さやつき)…250g

じゃが芋………………200g

豚ひき肉………………80g

塩………………………少々

生姜……………………1/2片

米油……………………大さじ1/2

塩麹……………………大さじ1

片栗粉…………………適量

 

【つくり方】

 

1.

そら豆はさやから出してかために、じゃが芋は皮ごとやわらかく蒸す。

生姜はみじん切りにする。

 

2.

フライパンを中火にかけ、米油を入れてひき肉を炒め、塩をふる。

 

3.

1のじゃが芋の皮をむいてすり鉢ですりつぶす。

そら豆は薄皮をむき、飾り用を10~12粒ほど残し、残りをすり鉢に加え、軽くつぶす。

 

つぶしたじゃが芋とそら豆、生姜、豚ひき肉、塩麹をよく混ぜ合わせ、6~8個の団子状に丸める。
片栗粉をまぶし、飾り用のそら豆を半分に割って表面につけて(1個につき2粒分程度)、170℃の油(分量外)で色よく揚げる。

 

 

――・――・――・――・――

2024年3月発売の「”やさい上手”の春夏ごはん」では、このほかにも山田さんの古民家暮らしの様子、春や夏の食養生レシピ、野菜麹のレシピを紹介しています。

 

「心身をいたわる季節の食養生」(撮影=有賀傑)

 

 

別冊婦人之友

”やさい上手”の春夏ごはん

人気料理家さんおすすめ!旬の野菜をたっぷり使ったレシピが満載です。

藤井恵/山田奈美/Mako/長谷川清美/新谷友里江/

荻野恭子/河合真理/堤 人美/飛田和緒

 

▶詳細・ご購入はこちらから